「続けたいのに、いつの間にかやめてしまう…」
運動だけでなく、読書・早起き・食習慣など、習慣を身につけることは多くの人の悩みです。
けど実はこれ、意志の弱さではなく、脳の仕組みが大きく関係しています。
Buddyでも「運動を習慣にしたい」と来られる方がほとんど。
そこで今回は、心理学と行動科学の視点から
「小さな一歩を続けるための科学」 をご紹介します🌱
※この記事は、前回のコラム「人と比べない心理学」の続編です。
前回まだ読んでいない方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
1.なぜ習慣化は難しいのか
私たちの脳には、変化を避けて現状を保とうとする性質(ホメオスタシス)があります。
これは生き延びるために備わった仕組みですが、
これにより新しい行動を始めようとすると、「元に戻そう」とブレーキがかかり、
意志の力だけでは長く続けることが難しいのです。
また、「モチベーションが高い時だけ頑張る」方法も限界があります。
気分や環境に左右されるため、
「やる気が出ない日」には一気に崩れてしまうからです。
では、どうすると良いのでしょうか?
2.習慣をつくる科学
習慣化のカギは、「意志ではなく仕組み」にあります。
先ずは、行動科学の研究で、続けたい行動を「とても小さく設計する」ことで
脳のブレーキをゆるめ、無理なく続けられることが示されています。
たとえばスタンフォード大学の行動科学者 BJ・フォッグ博士 は、
「Tiny Habits(小さな習慣)」という方法を提唱しています。
その基本は3つ。
1️⃣ ばかばかしいほど小さく始める – 1日1回のスクワットや、歯磨き後に1回腕立てでもOK
2️⃣ きっかけを決める – 「歯磨きの後」「朝のコーヒー前」など、既にある習慣にくっつける
3️⃣ できたら喜ぶ – 小さくガッツポーズをしたり「よし!」とつぶやくだけでも効果大
この「小さく+きっかけ+喜び」のセットが、
脳に「これは気持ちいい行動だ」と記憶させ、
意識しなくても続く習慣に変えていきます。
同じく人気の本 『Atomic Habits(ジェームズ・クリア)』 でも、
習慣をつくるには環境を整えることが重要だと強調されています。
やる気に頼らず「やりやすい環境」「やめにくい環境」をつくることで、
自然と行動が積み重なっていくのです。
3.Buddyで見つけた“続けるコツ”
Buddyにいらっしゃるお客様の多くは、最初から運動が得意なわけではありません。
「週1回通うのもハードルが高い」
「続けられるか不安」
そんな気持ちを抱えてスタートされる方がほとんどです。
でも、小さな一歩から始めることで、多くの方が習慣を手に入れています。
たとえば——
- ある方は「まずは週1回だけ」と決めて通い始めました。
メニューも無理なく、自分のペースで続けた事で、
後々「週2回にしたい」と自ら提案してくれました。 - 「運動が苦手で続けられるか不安」と話していた方も、
まずは頑張り過ぎない軽いメニューからスタート。
小さな達成を一緒に喜びながら重ねていくうちに、
今では自宅ででもトレーニングを自然に続けられるようになり、身体も引き締まりました。 - またある方は、「体力に自信がなく、運動が続くか不安」と話していましたが、
まずは週1回の軽いトレーニングからスタート。
食生活も少しずつ整え、睡眠も改善する中で、
仕事の見直しまで考えるほど、人生全体に前向きな変化が広がりました。
今では運動も自然に習慣化し、身体もとても引き締まっています。

どのケースにも共通しているのは、
「最初から完璧を目指さない」「できたことを一緒に喜ぶ」 というスタイル。
小さな達成を積み重ねることで、
「自分でもできる」という自己効力感が育ち、続ける力が自然と大きくなっていくのです。

4.今日からできる小さな一歩
習慣をつくる第一歩は、「小さく」「具体的に」です。
今日からできるシンプルな方法を3つ紹介します🌱
1️⃣ 行動を1/10に小さくする
例:スクワットなら1回、ストレッチなら30秒。
「これならできそう」と思えるレベルまで小さくすることがコツです。
2️⃣ きっかけを決める
既にある習慣に“くっつける”のがポイント。
歯磨きの後、朝のコーヒー前、帰宅して靴を脱いだタイミングなど、
「〇〇したら△△する」と決めるだけで実行率が上がります。
3️⃣ できたら小さく喜ぶ
達成した瞬間にガッツポーズ、心の中で「よし!」とつぶやく、
自分を褒めることで脳が「これは気持ちいい」と覚え、
次も自然に続けたくなります。
最初の一歩はどんなに小さくても大丈夫。
「昨日より1回できた」 それだけで立派な成長です。
あなたの小さな一歩が、未来の大きな変化につながります✨
※習慣をつくる第一歩は、他人と比べないことから始まります。
👉 前回の記事「人と比べない心理学」 もあわせてどうぞ。
5.まとめ
👉 習慣化は意志ではなく仕組み
人は誰でも変化にブレーキがかかるもの。
だからこそ「小さな一歩」「きっかけ」「喜び」という仕組みが大切です。
👉 昨日より一歩でOK
他人と比べる必要はありません。
昨日の自分より1回多くスクワットできた
昨日より1分早く寝られた
その小さな進歩は脳が「抵抗するほどの変化」と感じにくく、
未来の大きな変化へと自然につながっていきます。
🌱 今日の一歩
今日の終わりに「続けたい小さな行動」を1つメモしてみましょう。
それがあなたの習慣を育てる第一歩になります。
運動など価値あることは、続けてこそ力になります。
小さな一歩を積み重ねていくことが、未来の大きな変化を生むのです。